さて、日商簿記検定の2級と3級ではどれほどの違いがあるのでしょうか。
簿記3級について
まず、3級ですが、日本商工会議所では
- 財務担当者に必須の基本知識が身につき、商店・中小企業の経理事務に役立つ
- 経理関連書類の読み取りができ、取引先企業の経営状況を数字から理解できるようになる
と規定しています。
難しい言い回しですが、つまりは「簿記の基礎知識が身についている」ということです。もちろん、試験で問われる内容も基礎知識です。
そこで重要となるのが、「簿記の基本ルール」、「勘定科目」、「仕訳」です。それぞれを解説します。
日商簿記検定3級の学習範囲
簿記の基本ルール
これは簿記の基本科目である資産、負債、資本、収益、費用の5つが、増加、減少した場合、帳簿上の左右いずれかに記載するかということ。
勘定科目
これは、企業の経済活動により帳簿上に発生する科目のことで、すべてが上記基本科目の5グループに所属します。
勘定科目例
- 資産:現金、受取手形、売掛金、建物、車両、備品、有価証券など
- 負債:買掛金、支払手形、借入金、商品券、未払金、未払利息など
- 資本:資本金(3級で出てくるのは資本金のみ)
- 収益:売上、受取家賃、受取配当金、受取利息、雑益など
仕訳(しわけ)
これは、上記勘定科目をが発生した際に、帳簿の貸方(左)と借方(右)に振り分け記録すること。
記録する帳簿を貸借対照表(BS)や<損益計算表(P/L)といった財務諸表といいます。 この3つのポイントを理解しておけ3級合格は難しくはありません。 しかしな、2級学習の基礎となりますのでしっかり理解して下さい。 3級を正確に理解せずに2級を理解することは不可能といっても過言ではありません。
2級は2つの簿記試験に合格する必要がある!
2級試験は商業簿記に加え、工業簿記が試験科目に加わります。
工業簿記とは、工場や製作所といった製造業で用いられる簿記のことです。
製造業は、原材料を仕入れ加工して製造し、製造した製品を販売することから成り立ちます。
このうち製造は会社の内部で行われるため、内部活動と呼ばれ製造活動のない商品販売業にはない活動となります。
つまり、工業簿記とは材料から製品に至る製造活動の記録であり、
もっとも重要なのは製品にかかる原価を算出する〝原価計算〟となります。
要するに、商業簿記とは企業と取引先との経済活動(外部活動)における記録であり、工業簿記とは社内の製造活動(内部活動)における記録ということ。
2級試験では、これら異なる2つの簿記試験に合格しなければならないのです。
これを初学者が独学で学習しようとなると、かなりのハードルといえるでしょう。
このサイトで提案する、2&3級の同時かつ1発取得を実現するためには、やはり独学では難しいと言わざるを得ないと思います。